ある春の夜。
理亜がキャバクラのバイトを始めて早1年。
いつものように理亜はバイトに向かう電車に乗り込んだ。
時刻は夜の7時半。
ミニのドレスの上にはジャケットを羽織っているだけなので自慢の脚は覗いたまま。
電車の中でチラチラと送られる仕事終わりのサラリーマンからの視線を最初のうちは楽しんでいたが、
1ヶ月ほどで慣れてしまったので携帯を弄って時間を潰すのが通例になっていた。
 
ある日、理亜は塾帰りらしい小学生の男の子に視線に気づいた。
塾のテキストを両手で広げて顔をそちら向けているが、時たま目だけで理亜の脚と顔を盗み見る。
理亜と目が合うとギクッとしたように視線が泳ぎ、中吊り広告を眺めて 初めから理亜に興味など無かったとでも 言いたげだ。眼鏡をかけていて髪はサラサラのマッシュルームカット。
大きなメガネに隠れているが、よく視れば顔も端正だ。
 
(かわいい……ああいう子をからかうのも面白いかな)
 
それからしばらくの間理亜は彼を観察していたが、
数週間で彼の行動パターンは大体把握できた。
 
メガネ君は理亜の次の駅で毎回決まった位置に乗ってくる。
観察していてわかったのだが、彼は彼で毎週理亜の露出した脚を見るのを少し楽しみにしているようだ。
また、何度か近づいてみて、隣のつり革につかまる振りをして体を当てても逃げたりよけたりしない事がわかった。
成人男性を誘惑することは得意な理亜でも、
流石に小学生ともなればあまり過激なことをしすぎると逃げられてしまうかもしれないと危惧していたが、
そうでもないことが解 ったのでとことんまでやってみることにした。
 
ある日理亜は電車の揺れに耐え切れなかったふりをして、彼の顔に乳房がいくように身体をもたげた。
ジャケットの前はあらかじめ空けておいたため、理亜の乳房と彼の顔の間には薄いドレスの生地1枚しか隔てるものは無い。
日課のマッサージと、数え切れない男からの愛撫によって育てられたCカップの乳房の感覚が彼の顔に十分伝わったはずだ。
 
「あ、ごめんね」

そう言ってニコッとメガネ君に笑いかける理亜。
彼は耳まで赤くして会釈をしてそれに答えた 。